特定非営利活動法人 前夜
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破局前夜が新生前夜となる
戦争前夜が解放前夜となる
その希な望みを、私たちは棄てない。
11/22/04 English Korean
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〈はじまり〉に向かって


岡本有佳

一年半がかりで準備してきた『前夜』創刊号がようやく校了日の朝を迎えようとしている。予想をはるかにこえた困難な道のりに踏みだしたのだということを、いまあらためて実感している。
 言葉が中身を失っていく時代。情報はますます断片化され、単純化され、「考える」こと自体に意味がないとまで思わされる冷笑主義・相対主義が蔓延している。そんな時代に、『前夜』は「反戦・反差別・反植民地主義」をかかげて出発する。
 私は十数年余りある生協で書籍の共同購入活動に従事しつつ、さまざまな運動にもかかわってきた。そうしたささやかな経験から学んだことは、私たち一人一人がそれぞれの生きる場で、自由に・自律的にものごとを分析したり、解釈したりすることがいかに困難であるかということ。しかもそれは不断の努力と忍耐を要するということである。各自の自発性・自律性を検証しながらの雑誌づくりという共同作業は、編集委員会が内容を決定して原稿依頼をして終わりというものではない。いま切実に必要な相互批評という営みを手放さないために、二十代から七十代まで、世代もジェンダーも領域も異なるさまざまな人々が創刊号だけでも三〇人以上参加している。
 本には人を待つ力がある。立ちどまってものを考えたり、立ち戻ることもできる。『前夜』はそんなふうに読まれてほしい。
 最後に、事前の直接購読・賛同カンパなどの支えがなければ創刊することはできなかった。有難うございました。表紙から細部まで心を尽くしたデザインをして下さった追川恵子さん、印刷の新栄堂の皆さん、発売を引き受けて下さった影書房の皆さんに感謝します。『前夜』のロゴは印刷博物館のご協力で活版のイワタ明朝体初号活字を使わせてもらった。また、念願だったパレスチナの抵抗作家カナファーニー作品選掲載について、亡き作家のパートナーであるアーニーさんから心のこもった快諾のお手紙をいただいたことは大きな喜びであった。(創刊号編集後記より)

(おかもと・ゆか)
季刊『前夜』編集長。1963年東京生まれ。十数年、生協の書籍の共同購入事業に従事。
2003年退職。編共著に『女たちの言葉』(青木書店)、『こどもに贈る本』(みすず書房)、『〈コンパッション〉は可能か?――歴史認識と教科書問題』(影書房)他